1. 借入条件と比較時点をそろえてから金利タイプを見る

金利タイプを比較するときは、希望借入額、返済期間、元利均等・元金均等の別、ボーナス返済、自己資金、融資実行予定日をそろえます。広告の最低金利だけを並べると、審査結果による適用金利、借入期間、融資率、物件要件、給与振込等の条件が混ざります。同じ条件を候補金融機関へ伝え、適用条件を記載した商品説明書と費用明細を受け取ります。

この記事は、特定の金利タイプや金融機関を勧めたり、将来の金利を予測したりするものではありません。返済可能額は、収入、家族構成、他の債務、住宅の維持費等で変わります。金融機関の審査上の借入可能額を、そのまま家計上の返済可能額とは考えず、税金、管理費・修繕積立金、修繕、保険も含む住居費で確認してください。

2. 三つの金利タイプを、確定する期間で分ける

住宅金融支援機構は、住宅ローンの主な金利タイプを、全期間固定金利型、固定金利期間選択型、変動金利型の三つに整理しています。全期間固定金利型は、借入時に返済終了までの適用金利が確定する型です。固定金利期間選択型は、商品所定の固定期間が終わると、商品所定の選択肢から次の金利タイプを選ぶか自動移行し、その時点の適用金利等に基づいて返済額が再計算される型です。変動金利型は、契約で定めた基準と時期に適用金利が見直される型です。

名称が同じでも、適用金利の決め方、優遇幅、見直し日、返済額への反映、固定期間終了後の選択肢は金融機関・商品で異なります。全期間固定型でも、申込時ではなく融資実行時の金利が適用される商品があります。比較表には「申込時に分かる事項」「融資実行時に確定する事項」「返済中に変わり得る事項」を分けて記載し、いつまで条件が有効かを確認します。

  • 全期間固定:返済終了までの適用金利と返済額の決まり方
  • 固定期間選択:固定期間、終了時の再選択、終了後の優遇幅
  • 変動:基準金利、優遇幅、金利見直し日、返済額への反映日
  • 共通:融資実行時まで未確定となる条件と、条件変更の通知方法

3. 変動金利は、金利と返済額の見直しを別々に確認する

変動金利では、基準金利から所定の引下げ幅を差し引くなどして適用金利を決め、契約所定の時期に見直します。一方、元利均等返済の毎月返済額を5年ごとに見直し、見直し後を直前の1.25倍までとする取扱いは一般的な例として案内されていますが、すべての金融機関、商品、返済方法に共通する法定ルールではありません。元金均等返済や、返済額を別の方法で見直す商品もあるため、個別の商品説明書と契約書を確認します。

返済額の上昇に上限があっても、適用金利そのものの上昇幅を同じように制限する意味ではありません。金利上昇後も毎月返済額が据え置かれる間は、返済額に占める利息の割合が増え、元金の減りが遅くなることがあります。条件によっては未払利息が発生する可能性もあるため、その計算、返済期限時の扱い、通知方法を金融機関へ確認してください。

  • 基準金利の名称、適用金利の計算、引下げ幅が変わる条件
  • 適用金利の見直し頻度と、新金利が利息計算へ反映される日
  • 毎月返済額の見直し方法と、5年・125%ルールの適用有無
  • 元金と利息の内訳、未払利息が生じる条件と最終的な精算方法

4. 固定期間中と固定期間終了後の条件を分けて読む

固定金利期間選択型では、固定期間中の適用金利と返済額を確認しただけでは比較が終わりません。固定期間終了後に変動金利へ移るのか、再び固定期間を選べるのか、手続がない場合の取扱い、再選択手数料、終了後の金利引下げ幅を確認します。当初期間だけ引下げ幅が大きい商品では、終了後の金利を同じ幅で試算しないよう注意します。

全期間固定金利型は、返済期間全体の計画を立てやすい一方、借入後に市場金利が下がっても契約金利は自動では下がりません。また、固定型と変動型の当初金利の差だけで将来の総支払額は確定しません。借換えには新たな審査・費用・手続があり、繰上返済にも商品所定の手数料や申込手続があります。「後で変更すればよい」と前提を置かず、変更しない場合も含めて比較します。

5. 金利以外の費用と保障を同じ期間で合計する

比較する費用には、融資手数料、保証料、書面で課税文書を作成する場合の印紙税、登録免許税、司法書士報酬、物件検査費用、火災・地震保険、団体信用生命保険の保険料または金利上乗せを含めます。手数料が定額か借入額に対する割合か、保証料を一括で払うか金利に含めるかによって、当初費用と返済中の支出が変わります。返済予定期間を決め、同じ期間の総支出で比較します。

団信は、死亡・所定の高度障害に加え、疾病保障や就業不能保障などの対象、支払条件、免責、待機期間が商品ごとに異なります。保障範囲が広い名称でも、自分の既存保険と重複する場合があります。金利上乗せ、保険料、保障の開始・終了を確認し、住宅ローンの返済だけでなく世帯の生活費に必要な保障と分けて判断します。

  • 契約時:融資手数料、保証料、書面契約の印紙税、登記、司法書士、物件検査
  • 返済中:利息、団信、口座・条件維持、固定金利再選択等の費用
  • 住宅維持:固定資産税、管理費、修繕積立金、修繕、火災・地震保険
  • 変更時:一部・全額繰上返済、条件変更、借換えに関する費用

6. 金利が変わる複数ケースで家計の余力を確認する

変動型や固定期間選択型は、現在の提示条件だけでなく、適用金利が段階的に上がる仮定でも返済額、元金残高、利息を試算します。例えば現在の条件に加え、一定期間後に年1ポイント、年2ポイント高くなるケースなどを置きます。これは金利予測ではなく、家計がどこまで変化に耐えられるかを見るための仮定です。金融機関のシミュレーションが5年・125%ルール等をどう反映するかも確認します。

各ケースで、手取り収入から生活費、教育費、車、他の返済、固定資産税、管理費・修繕積立金、将来修繕を差し引き、毎月と年間の残額を確認します。収入減少や支出増加が重なるケースも置き、緊急予備資金を住宅取得に使い切らないようにします。試算結果は前提で変わるため、契約前に最新条件で作り直してください。

7. 説明書・契約書・資金計画を照合して決める

候補ごとに、商品説明書、金利表、事前審査結果、諸費用見積り、返済予定表、団信の被保険者のしおり等をそろえます。適用金利と引下げ幅、融資実行日、返済方法、金利・返済額の見直し、固定期間終了後、遅延時、繰上返済、期限前完済の条項を確認します。説明資料と契約書で条件が違う場合は、どちらが適用されるかを署名前に書面で回答してもらいます。

最後に、現在の条件、金利が変化する複数ケース、収入が減るケースを同じ表にし、年間住居費、総支出、時点別残高、手元資金を比較します。金利タイプに万人共通の正解はありません。返済余力や保障の個別判断は必要に応じて独立したファイナンシャル・プランナー等へ、契約・税務は金融機関、税務署、税理士など権限ある窓口へ確認してください。

  • 比較日、融資実行予定日、借入額、期間、返済方法をそろえた
  • 金利と返済額の見直し、固定期間終了後の条件を確認した
  • 諸費用・団信・住宅維持費を含む総支出を比較した
  • 金利・収入・支出が変わるケースでも手元資金を確認した