1. 金利を比べる前に、住宅取得後の家計上限を決める

住宅ローン比較は、金利一覧ではなく購入後も維持できる家計から始めます。手取り収入から生活費、教育・介護、車、保険、修繕積立、固定資産税などを差し引き、毎月返済の上限を置きます。頭金とは別に、引越しや購入後の不具合、収入減へ備える現金も残します。

収入増や毎回の賞与を全額返済へ充てる前提では余裕が小さくなります。育児休業、転職、病気、金利上昇、管理費の改定など複数の変化を置き、返済を続けられるか試算します。金融機関が示す借入可能額と、家計が無理なく返せる額は同じとは限りません。

  • 購入後も残す生活防衛資金
  • 税、保険、管理費、修繕など住宅ローン以外の住居費
  • 収入が減る期間と、教育・介護など支出が増える時期
  • 毎月返済とボーナス返済の上限

2. 変動・固定期間選択・全期間固定のリスクを比べる

変動金利型は返済途中に適用金利が変わるため、借入時点で将来の総返済額が確定しません。全期間固定金利型は借入時に返済終了までの適用金利が決まり、返済計画を立てやすい一方、借入時の金利水準は変動型と異なります。固定金利期間選択型は、一定期間の固定終了後に適用される金利と選択肢を確認する必要があります。

住宅金融支援機構は、変動型では金利上昇時に毎月返済額や総返済額が増える可能性を示しています。見直し時期や返済額の変更方法は商品ごとに異なります。「後で固定へ替えればよい」と決めず、段階的な金利上昇と借換え費用も試算します。

3. 表示金利ではなく、適用条件と総費用を一列にする

同じ金利タイプでも、店頭表示金利、引下げ後の適用金利、引下げ幅が続く期間は商品ごとに違います。給与振込、口座、クレジットカードなどが優遇条件になっている場合は、条件を外れたときの扱いも確認します。融資実行日の金利が適用される商品では、申込時の表示から変わる可能性もあります。

総費用には利息のほか、商品により異なる融資手数料・保証料・団信の上乗せ、紙の契約書に必要となる印紙税、抵当権設定・司法書士の費用、加入条件となることがある火災保険と任意の地震保険などが関係します。繰上返済、金利タイプ変更、借換え、完済の手数料も含め、同じ借入額・期間で比較します。

  • 適用金利、優遇幅、優遇期間と条件
  • 融資手数料、保証料、登記・契約関係費用
  • 団信の保障範囲、金利上乗せ、加入条件
  • 繰上返済、条件変更、借換え、完済の費用

4. 総返済負担率は審査基準と家計基準を分ける

総返済負担率は、年収に対するすべての借入れの年間返済額の割合です。住宅金融支援機構のフラット35では、住宅ローンだけでなく自動車、教育、カードローンなども含めた基準が示されています。ただし、この基準内ならどの家計でも余裕があるという意味ではなく、民間商品の審査基準も各社で異なります。

自分の家計では額面年収だけでなく、手取り月収と毎月の固定費で確認します。現在の返済額に加え、変動金利の上昇、固定期間終了、管理費・修繕積立金の増加を入れます。住宅金融支援機構のシミュレーターなどで金利を複数設定し、毎月返済額と総返済額の両方を比較すると、借入額を減らす効果も見えます。

  • 住宅ローン以外の借入れと分割払いを含める
  • 審査用の割合と、手取り家計の上限を別々に計算する
  • 金利上昇後の毎月返済額を試算する
  • 完済時年齢と退職後の収入も確認する

5. 事前審査は比較材料であり、正式融資の約束ではない

事前審査を用意する金融機関では、希望額や収入、勤務、既存借入れなどを申告し、借入れの見込みを確認します。入力条件、信用情報、物件情報、必要書類の範囲は金融機関ごとに異なります。承認された希望額をそのまま予算にせず、金利、期間、自己資金をそろえた複数案を依頼すると比較しやすくなります。

事前審査は仮の確認で、正式審査や融資実行の保証ではありません。提出書類、転職や新たな借入れ、担保評価、団信などにより条件が変わる場合があります。売買契約を先に結ぶときは、ローン特約の対象、申込先、期限、不成立時の手続を確認します。

6. 同じ条件を記入する比較表を作る

候補ごとに一枚の資料を保存し、比較表には同じ基準日の情報を転記します。金利だけでなく、借入額、融資率、返済期間、返済方式、金利確定日、毎月返済、総返済、初期費用、団信を並べます。キャンペーンは申込日と実行日のどちらが条件か、有効期限を確認します。説明担当者の試算だけでなく、商品説明書と契約規定も読みます。

毎月返済額が同じでも、返済期間が長ければ総利息や完済時年齢が変わります。元利均等と元金均等、ボーナス併用の有無もそろえなければ比較できません。ペアローンや収入合算は借入可能額だけでなく、契約本数、諸費用、持分、団信、離婚・死亡時の影響を個別に確認します。

  • 商品名、金利タイプ、金利確定日
  • 借入額、期間、返済方式、完済時年齢
  • 当初・将来の毎月返済額と総返済額
  • 初期費用、団信、繰上返済・借換え条件
  • 審査結果の条件、有効期限、必要書類

7. 申込み前に最終条件とスケジュールを照合する

候補を絞ったら、比較表を金融機関の最新資料と照合します。売買代金の支払日、融資実行日、金利確定日、自己資金の入金日、登記、保険開始日を一つの予定表にします。中古住宅や建築では物件検査、追加工事、つなぎ融資などが関係することもあるため、物件ごとの手続と費用を確認してください。

最後に、金利が上がる、収入が減る、修繕費が出る三つのケースを再計算し、残る預貯金を確認します。税制優遇や補助制度は適用要件と期限があり、受けられる前提で返済上限を引き上げないようにします。不明点への回答は可能な限り書面で受け取り、理解できない条項が残る場合は契約を急がないことが重要です。

  • 比較表の金利・手数料を最新資料で再確認した
  • 正式審査と売買契約の期限を予定表にした
  • 金利上昇・収入減・支出増を同時に試算した
  • 融資後も残す現金と修繕資金を確保した
  • 契約条項とローン特約の疑問を解消した