1. 18歳から契約の扱いが変わることを知る
2022年4月から民法上の成年年齢は18歳となり、18歳・19歳も保護者の同意なしで契約できます。その一方、成年になった後の契約は、未成年であることを理由とする未成年者取消権を原則として使えません。保護者に相談していなかったことや、後から高額だと感じたことだけで、いつでも取り消せるとは限らない点を理解しておきます。
ただし、未成年者取消権が使えないことと、どのような契約も解約・取消しが一切できないことは同じではありません。販売方法、説明、契約内容によって、特定商取引法上のクーリング・オフや中途解約、その他の対応を検討できる場合があります。自分だけで法的な結論を出さず、契約書面と勧誘の記録をそろえて、早めに消費生活センター等へ相談します。
2. 広告価格と最終的な契約総額を分ける
SNSや検索広告の低い価格は、特定部位、初回、少量、特定条件のモニターなどに限られることがあります。予約画面、広告の掲載日、対象施術、価格条件を保存し、来院後に提案された施術との違いを確認します。広告で見た施術より高額な方法を勧められたら、なぜ変更が必要なのか、広告の方法を選べない医学的理由があるのかを診察した医師へ質問します。
見積書では、施術本体だけでなく、診察、検査、麻酔、薬、材料、機器、オプション、再診、保証、解約、修正に関する費用を分けます。分割払いの『月々いくら』ではなく、頭金、支払回数、手数料、総支払額を確認します。複数施術を組み合わせた見積りでは、それぞれを行う理由と、不要な項目を外した場合の金額も出してもらいます。
- 広告の施術名・対象者・部位・回数・価格条件
- 診察後に変更・追加された施術と医学的な理由
- 麻酔、薬、検査、保証、再診等を含む総額
- 分割手数料を含む総支払額と支払期間
3. カウンセラーの勧誘と医師の説明を分ける
カウンセラーが希望や予算を聞く場面があっても、診断、施術の必要性、医療上の選択、リスク説明は、診察した医師へ確認します。医師の診察が短く、施術内容の大半をカウンセラーと決めた場合は、契約前に医師へ質問する時間を求めます。担当医と施術を行う医師が異なる場合は、誰が最終判断し、誰が術後に対応するかを確認します。
厚生労働省のチェックリストは、使う薬などを説明できるか、効果だけでなくリスク・副作用を理解したか、ほかの方法や選択肢の説明を受けたか、今すぐ必要かを確認するよう案内しています。質問への回答が『みんな受けている』『絶対大丈夫』『今日なら安い』だけなら、医学的説明として十分かを見直し、施術しない選択肢も含めて医師へ聞きます。
4. 即日契約・即日施術を前提にしない
国民生活センターには、『今やった方がいい』『今日だけ安い』などと急かされ、その場で高額契約と施術をしたという相談が寄せられています。美容目的の施術は多くの場合、緊急に当日行う必要がありません。割引の締切、予約枠、モニター枠を理由に急かされても、見積書と説明書を持ち帰り、少なくとも契約と施術を別日にすることを検討します。
不安やコンプレックスを指摘されると、判断が急ぎやすくなります。医療上の緊急性があると言われた場合は、その根拠と、今日行わない場合の影響を医師へ確認します。断っても勧誘が続く、帰りにくい、スマートフォンを操作されるなど困った状況では、署名や決済をせず、家族等へ連絡して退店します。危険を感じた場合は、その場の安全を優先してください。
- 見積書・同意書・契約書を持ち帰れるか
- 契約日と施術日を分けられるか
- 割引終了後の通常価格と、割引条件
- 断った場合に予約金・キャンセル料が発生するか
5. モニター・ローン・前払いの条件を読む
モニター契約では、割引額だけでなく、撮影する部位、写真・動画・コメントの使用媒体、公開期間、顔や個人が識別される範囲、掲載前確認、削除・撤回の条件、施術結果による追加負担を確認します。医療機関の広告では、患者の主観に基づく治療内容・効果の体験談は掲載できず、モニター契約や本人の同意があっても掲載可能になるものではありません。コメントを求められた場合は、内容と利用目的を確認します。通常契約との価格差と条件差を並べ、医療への同意と広告利用への同意を別々に判断します。
クレジットや医療ローンでは、申込先、名義、年収等の申告、審査、手数料、支払総額、遅延時の扱いを読みます。契約を通すために年収や職業、利用目的を偽るよう指示されても従わず、その場で申込みを止めます。長期コースの一括前払いでは、提供期間、予約の取りやすさ、中途解約、事業停止時の前受金保全措置の有無を確認し、都度払いや月払いも比較します。
- モニター画像・コメントの利用範囲と期間
- 通常契約との差額、条件違反時の請求
- ローン会社、金利・手数料、支払総額
- 前受金保全措置、中途解約、未施術分の精算
6. クーリング・オフの対象を契約単位で確認する
美容医療ならすべてクーリング・オフできるわけではありません。特定商取引法の特定継続的役務提供では、主務省令で定める美容医療の方法に該当し、提供期間が1か月を超え、金額が5万円を超えるなどの要件を満たす契約が対象です。対象であれば、法定書面を受け取った日から数えて8日以内は、書面または電磁的記録によるクーリング・オフが案内されています。
1回で終わる施術、期間・金額・施術方法が要件に該当しない契約は、この制度の対象外となることがあります。ただし、1回の施術でも、契約に1か月を超える無償アフターサービスを受ける権利が含まれる場合や、関連商品を含む契約全体の実態によって対象となることがあります。対象契約では期間経過後の中途解約ルールもありますが、実施済みの施術や関連商品の精算など個別の確認が必要です。制度の対象か、いつから期間を数えるかを自己判断せず、契約書、概要書面、受領日、決済記録を手元に置いて速やかに188へ相談します。
7. 契約前後の記録を残し、困ったら188へ相談する
契約前は広告、予約画面、メッセージを保存し、来院後は説明者、担当医、提案内容、見積り、断ったときの反応を記録します。契約した場合は、概要書面、契約書、同意書、領収書、クレジット申込書、モニター規約を受け取り、受領日が分かるようにします。書面を渡されない、内容が説明と違う、帰宅後に不安になったときは、放置せず早く相談します。
消費者ホットライン188は、最寄りの消費生活センター等を案内する全国共通番号です。医療内容の診断を行う窓口ではありませんが、契約、解約、返金、勧誘、クレジット等の整理に利用できます。健康上の問題がある場合は契約相談とは分け、施術した医療機関へ連絡し、急な悪化や重い症状では必要に応じて救急医療を利用します。一人で交渉を続ける前に、記録をそろえて相談してください。
- 広告・予約画面・事前メッセージ
- 見積書・概要書面・契約書・同意書
- 支払・ローン・モニターの各書面
- 勧誘、質問、申出、回答の日時と内容