1. 『麻酔込み』を具体的な方法に置き換える
美容医療の見積書に『麻酔代込み』とあっても、塗る麻酔、局所麻酔、鎮静、全身麻酔など、実際の方法までは分かりません。予定する麻酔・鎮静の名称、投与経路、意識の状態、呼吸や循環をどのように監視するか、施術後にどこで回復を確認するかを医師へ質問します。途中で方法を追加・変更する可能性がある場合は、その条件と追加費用も確認します。
麻酔や鎮静には、施術の痛みや不安を軽減する目的がある一方、薬による反応や呼吸・循環への影響などのリスクがあります。『眠っている間に終わる』『軽い麻酔だから安全』といった短い説明だけで決めず、今回の施術、健康状態、使用薬を踏まえた説明を受けます。医学的な説明はカウンセラーではなく、診察した医師に確認し、同意書の麻酔欄も施術欄と分けて読みます。
- 麻酔・鎮静の正式名称と、意識・呼吸への影響
- 投与する場所、予定時間、追加する可能性
- 施術中の監視項目と回復を確認する場所
- 麻酔に関する説明書・同意書・追加費用
2. 担当者と緊急時の医療体制を確認する
麻酔・鎮静を誰が担当し、施術者と同じ医師なのか、別の医師が全身管理を担当するのかを確認します。担当医の氏名、診療科、麻酔中に継続して状態を観察する人、看護職員等の配置を尋ねます。標榜や資格名だけで個別の安全性を保証することはできませんが、役割分担が曖昧なまま施術へ進まないための基礎情報になります。
急な状態変化が起きた場合に使う設備、院内で可能な処置、救急医療機関への搬送・連携方法、夜間の連絡先も確認します。施設内にすべての診療機能があるとは限らないため、何ができ、何を連携先へ依頼するのかを分けて聞きます。医療情報ネットでは医療機関が報告した診療内容やサービス等を検索できますが、掲載情報だけで当日の人員や機器を推測せず、医療機関へ直接確認してください。
3. 服薬・サプリ・使用中の製品を一つの一覧にする
処方薬だけでなく、市販薬、漢方薬、サプリメント、注射薬、貼付薬、点眼薬、吸入薬、避妊薬など、現在使っているものを一覧にします。薬の名前、量、回数、最後に使用した時刻、処方した医療機関・薬局を、現物、お薬手帳、薬剤情報提供書、電子版お薬手帳の記録で確認します。美容目的で別の医療機関から受けている薬や、個人輸入した製品も隠さず医師へ伝えます。
手術・麻酔前に続ける薬と休止を検討する薬は、薬の種類、施術、麻酔、健康状態によって異なります。インターネットの一般情報を見て自己判断で中止・減量・追加すると、元の病気の悪化など別の危険につながることがあります。いつ、どの薬を、どう扱うかは、施術担当医や麻酔を担当する医師と、必要に応じて処方医・薬剤師が確認した指示を受け、指示した医療者と日時を記録します。
- 処方薬、市販薬、漢方薬、サプリメント
- 注射、貼付、点眼、吸入など飲み薬以外の製品
- 使用量・頻度・最終使用時刻と処方元
- 医師から受けた継続・休止・再開の個別指示
4. アレルギー・持病・過去の麻酔歴を具体的に伝える
薬、消毒薬、ラテックス、食品などで過去に反応したことがある場合は、原因と考えられたもの、症状、起きた時期、受けた処置、医療機関での診断をできる範囲で整理します。『アレルギーあり』だけでなく、当時の薬剤情報や紹介状があれば持参します。日本麻酔科学会も、麻酔前の診察でアレルギー、持病、現在の薬、過去の麻酔や手術時の異常などを伝える重要性を案内しています。
心臓、肺、腎臓、肝臓、脳、血液、内分泌などの病気、喘息、睡眠中の呼吸に関する指摘、妊娠の可能性、感染症、歯や義歯の状態など、質問票にある項目は正確に回答します。過去の麻酔後の強い吐き気や覚醒の遅れ、本人・家族の麻酔時の重大な異常も伝えます。症状名が分からない場合は推測で病名を決めず、いつ、どこで、何が起きたかを伝えて医師に評価を委ねます。
5. 飲食・服薬の制限は個別の書面で受け取る
麻酔前の飲食制限は、胃の内容物が逆流して気道や肺へ入る危険を減らすために重要ですが、開始時刻や対象となる飲食物は麻酔法や状況によって異なります。このページで一律の時間を決めることはできません。固形物、水分、飲酒、喫煙、常用薬について、何をいつまで可能とするかを医療機関から書面で受け取り、指示の意味が分からなければ施術前に問い合わせます。
指示に反して飲食・服薬した、体調が変わった、別の薬を使った場合は、隠さず施術前に医療機関へ連絡します。自己判断で予定どおり来院して施術を受けるか、逆に一方的に薬を止めるかを決めず、医師の判断を仰ぎます。発熱、咳、体調不良などがある場合も同様です。安全上、延期や方法変更が提案される可能性と、延期時の費用の扱いを契約前に確認しておくと連絡しやすくなります。
- 飲食を止める対象と時刻、例外の有無
- 当日の薬ごとの服用・休止と服用時の水分
- 体調変化や指示違反があった場合の連絡先
- 医学的理由で延期したときの予約・費用の扱い
6. 回復確認と帰宅後の安全計画を立てる
麻酔・鎮静後は、意識、呼吸、循環、痛み、吐き気、歩行などを医療機関が確認し、帰宅可能か判断します。何を確認してから帰宅するのか、院内での予定滞在時間、予定より回復が遅い場合の対応を聞きます。帰宅後に運転、仕事、入浴、飲食、服薬などをどのように扱うかは、麻酔と施術に応じた個別指示を書面で受け取ります。
付き添いが必要か、公共交通機関やタクシーを含めどの帰宅方法が認められるか、一人で過ごしてよいかを事前に確認します。施術当日に説明を受けても記憶しにくい場合があるため、本人と連絡を取れる人の双方が、緊急連絡先と指示書を確認できるようにします。急な悪化や重い症状がある場合は施術機関へ至急連絡し、状況に応じて救急医療を利用します。具体的な受診判断は、医療機関の指示に従ってください。
7. 前日までに確認票を完成させる
確認票には、施術と麻酔の正式名称、担当医、服薬一覧、アレルギー・持病・麻酔歴、飲食・服薬指示、来院・帰宅方法、付き添い、術後連絡先を記載します。口頭説明と書面が違う場合は、どちらに従うかを担当医へ確認し、訂正した人と日時を残します。薬や既往歴の確認が終わる前に、自己判断で施術日を確定しないことも大切です。
同意書には麻酔の利点だけでなく、主なリスク、代替となる麻酔法、麻酔を使わない選択肢、途中変更の可能性が説明されているかを確認します。不明点や不安が残る場合は、施術と契約を急がず、別日に説明を受けたり、別の医師の意見を求めたりします。確認票は施術日に持参し、受付だけでなく、診察する医師へ内容が共有されたことを確かめます。
- 麻酔法・担当・監視・緊急時対応
- 薬・アレルギー・持病・麻酔歴の一覧
- 飲食・服薬・来院・帰宅の個別指示
- 術後の連絡先、付き添い、回復が遅い場合の対応