1. 施術契約と支払契約を二枚に分ける

美容医療で分割払いを使うと、医療機関との施術契約に加え、信販会社等とのローン・個別クレジット契約が成立する場合があります。医療機関が分割を案内していても、お金の契約相手は別会社かもしれません。申込書ごとに、契約名、相手方、立替・融資額、問い合わせ先、契約日を整理します。

同意書は医療上の説明を受けた記録、施術契約書は役務・料金・解約条件、支払契約書は手数料・回数・遅延時の扱いを定めるなど、目的が異なります。一つに署名したから他も同じ条件で解除できるとは限りません。空欄の書面や後から数字を入れる申込書には署名せず、本人控えを保存します。

  • 医療機関との施術契約の名称・総額・期間
  • 信販会社等との支払契約の名称・立替額・期間
  • 申込金や頭金を誰へ、いつ、いくら支払うか
  • 解約・早期完済・請求照会の窓口

2. 月額ではなく手数料込みの支払総額を計算する

『月々1万円』という説明だけでは負担を比較できません。元の施術契約額、頭金、分割対象額、実質年率、分割手数料、支払回数、支払期間、初回・最終回の額、支払総額を確認します。日本クレジット協会は、商品代金、実質年率、支払回数から手数料と支払総額の目安を計算するシミュレーションを公開しています。

シミュレーションは目安であり、実際の契約書の計算に置き換えるものではありません。ボーナス加算、事務手数料、遅延損害金などを含む条件は契約ごとに異なります。比較表には現金価格と支払総額の差額も書き、差額と長い支払期間を受け入れてまで契約するかを、施術を受けるかという判断と分けて考えます。

3. 施術期間・解約期間・支払期間を並べる

施術を受ける期間が数か月でも、分割払いは数年続く場合があります。コースの有償期間、無料アフターサービスの期間、中途解約の精算対象となる期間、支払終了日を一本の時間軸にします。施術終了後に何回の支払いが残るか、途中で通えなくなった場合に残債がどう処理されるかを確認します。

特定の美容医療契約が特定商取引法上の特定継続的役務に該当すれば、クーリングオフや中途解約のルールが問題になりますが、全契約に一律適用されるわけではありません。また、施術契約を解約して返金額が決まっても、信販会社の請求へどのように反映されるかは別の手続です。双方へ同じ書面を示して確認します。

  • 初回施術日、有償役務の終了日、無料対応の終了日
  • 中途解約時の単価、返金時期、信販会社への通知方法
  • 初回支払日、支払回数、最終支払日
  • 施術終了時点で残る支払回数と残額

4. 繰上返済・早期完済の条件を契約前に聞く

分割払いを期限前にまとめて支払う早期完済ができるか、一部だけ繰上返済できるか、申込方法、基準日、最低額、事務手数料を信販会社へ確認します。日本クレジット協会は、早期完済時に戻し手数料が生じる一般的な考え方を案内する一方、計算方法や事務手数料はクレジット会社により異なるとしています。

『早く返せば将来分の手数料が全額なくなる』とは限りません。完済予定日を決めたら、その日時点の残元金、戻し手数料、事務手数料、最終支払額を記載した見積りを契約先へ求めます。完済後に契約終了を示す書面や残高ゼロを確認できる方法も聞き、口頭の概算だけで資金を移動しないようにします。

5. 施術の解約・事業停止時に支払いがどうなるか確認する

医療機関との施術契約を解約しても、支払契約が自動で消滅したり、即日で請求が止まったりするとは限りません。医療機関から信販会社へ送る情報、自分が提出する解約通知・精算書、返金が立替金へ充当されるのか自分へ返るのかを確認します。請求に異議がある場合も、自己判断で支払いを止める前に契約先と消費生活センター等へ相談します。

コース料金の一括前払いや長期の立替払いでは、医療機関が休廃業し未提供の施術を受けられなくなるリスクがあります。消費者庁は、特定継続的役務に当たる前払取引の契約書面等で前受金保全措置の有無を確認するよう案内しています。保全措置の対象額・条件、信販会社への相談方法を確認し、『大手だから全額返金される』などと決めつけないでください。

一定の個別信用購入あっせんでは、契約類型や金額等の要件を満たす場合、未提供の役務を理由に信販会社への支払いを拒む抗弁を主張できることがあります。ただし、銀行ローンを含むすべての借入れに一律に適用される制度ではありません。施術契約と支払契約をそろえ、信販会社と消費生活センター等へ確認します。

  • 解約通知と精算書を誰から信販会社へ送るか
  • 返金先、残債への充当、請求変更までの期間
  • 休廃業時の連絡先と未提供分の申出方法
  • 前受金保全措置の有無、対象範囲、上限
  • 個別クレジットにおける支払停止の抗弁の適用条件

6. 支払い余力を変化後の家計でも確かめる

分割審査に通ることと、無理なく支払い続けられることは同じではありません。毎月額だけでなく、収入減、転職、引越し、医療費などが生じた場合にも支払えるかを確認します。ボーナスを前提とするなら、支給額が下がった場合の代替資金も考えます。これは特定契約を勧める金融助言ではなく、契約期間中の固定負担を可視化する手順です。

美容目的の施術の必要性を、ローンを組める金額から逆算しないようにします。契約当日に『審査だけ』『枠だけ』と申込みを促された場合も、申込みの法的意味、信用情報照会、キャンセル方法を確認します。家族へ相談することを妨げられる、虚偽申告を勧められる、書面を渡されない場合は、その場で手続きを進めません。

7. 契約前後の確認表と相談記録を残す

契約前は、施術総額、頭金、分割対象額、手数料、支払総額、回数、期間、早期完済、解約時の処理を一枚にします。契約後は、毎月の明細、施術履歴、医療機関と信販会社への連絡を保存します。契約書の金額と口頭説明が違う場合は、署名前に訂正を求め、訂正後の控えを受け取ります。

契約や請求に不安があるときは、消費者ホットライン188を通じて地域の消費生活センター等へ相談できます。契約日、書面受領日、施術契約額、支払総額、施術済み回数、残回数、残債、希望する対応を整理して伝えます。健康上の問題は支払相談と分け、医療機関へ連絡してください。

  • 施術契約と支払契約の控えが両方あるか
  • 手数料込み支払総額と最終支払日を把握したか
  • 早期完済・施術解約・休廃業時の手順を聞いたか
  • 連絡内容、担当者、日時、送付書面を保存したか