1. 施術・契約・支払いの書面をすべて集める

解約を考えたら、まず広告画面、申込書、概要書面、契約書、同意書、見積書、領収書、ローン・クレジットの書面、メールやメッセージを集めます。契約日、各書面を受け取った日、初回施術日、受けた回数、支払済み額、次回予約日を時系列にします。書面名が違っていても捨てず、契約主体と連絡先を確認してください。

施術を提供する医療機関、契約書上の事業者、料金を立て替えるクレジット会社など、関係者が複数の場合があります。施術契約の解約を申し出ただけで、支払契約まで自動的に処理されるとは限りません。どの契約について、誰へ、いつ連絡したかを分けて記録します。

  • 広告・予約・見積り・概要書面・契約書・同意書
  • 契約日、書面受領日、施術日、支払日、連絡日
  • 医療機関、契約事業者、信販会社等の名称と窓口
  • 有償回数、利用済み回数、未利用回数、支払済み額

2. 特定商取引法の対象条件を一つずつ確認する

特定商取引法の『特定継続的役務提供』として美容医療が対象になるのは、すべての美容医療契約ではありません。美容を目的とし、主務省令で定める方法による一定の医学的処置・手術・治療で、役務提供期間が1か月を超え、かつ支払総額が5万円を超えるなどの要件を満たす契約が対象です。脱毛、皮膚のしみ等の除去、しわ・たるみへの処置、脂肪の減少、歯の漂白なども、目的と具体的方法によって判断されます。

病気やけがからの回復を目的とする治療、対象に指定されていない方法、1か月以内または5万円以下の契約などは、同じルールの対象にならない場合があります。一回の処置でも、1か月を超える無料アフターサービスを受ける権利や、一体となる関連商品など契約全体の実態から対象となる場合があります。個別の該当性は書面と実態により判断されるため、名称だけで断定しません。

3. 概要書面と契約書面の受領日・記載内容を見る

対象となる特定継続的役務では、契約締結前の概要書面と、契約締結時の契約書面の交付が定められています。役務内容、期間、対価、支払方法、クーリングオフ、中途解約、関連商品、前受金保全措置の有無など、必要事項が記載されているかを確認します。電子交付の場合は、自分が承諾した方法と、実際に閲覧・保存できた日も記録します。

クーリングオフの起算日は、単なる予約日や口頭説明日ではなく、原則として法律で定められた契約書面を受け取った日が基準になります。必要事項が欠けている、事実と異なる、書面自体を受け取っていない場合は期間の判断が変わる可能性があります。自分だけで期限切れと決めず、書面一式を持って早めに消費生活センター等へ相談してください。

  • 概要書面と契約書面をそれぞれ受け取った日
  • 役務内容・期間・総額・支払方法・解約方法
  • 関連商品と費目別金額、前受金保全措置の記載
  • 電子交付への承諾と、データを保存できた日

4. 対象なら8日以内のクーリングオフを検討する

対象となる契約では、法律で定められた書面を受け取った日を含めて数え、8日以内であれば、原則として書面または電磁的記録によりクーリングオフを通知できます。理由を説明して事業者の同意を得る手続ではありません。はがき等なら両面の写しと発送記録、電子メールやフォームなら送信内容・日時・宛先・受付画面を保存します。

事業者が重要事項について事実と異なる説明をし、消費者が誤認した場合や、威迫によって困惑しクーリングオフしなかった場合などは、8日を過ぎても扱いが変わることがあります。施術済み、ローン契約あり、対象外と言われたといった理由だけで諦めず、契約書面を確認します。期限が迫るときは、交渉だけに時間を使わず、消費者ホットライン188などへ速やかに相談します。

5. 期間後は中途解約の精算上限を確認する

対象となる特定継続的役務は、クーリングオフ期間後でも将来に向かって中途解約できます。美容医療について、役務提供開始前に事業者が請求できる損害賠償等の上限は2万円です。開始後は、提供済み役務の対価に加え、5万円または契約残額の20%に相当する額のいずれか低い額が、通常生ずる損害の上限として示されています。

この数字をそのまま返金額と決めることはできません。契約総額、提供済み役務の契約上の単価、関連商品、支払済み額を基に精算し、上限より実際の損害が低い場合の扱いも含めて確認します。事業者へ、利用済み額、解約に伴う請求、返金額を分けた計算書を求め、無料回数と有償回数を勝手に入れ替えた計算になっていないかを契約書と照合します。

  • 契約総額と、提供済み役務の契約上の単価・回数
  • 未提供分である契約残額と支払済み額
  • 解約時に請求する損害等の項目と法定上限
  • 関連商品の返還・精算と、返金予定日

6. 対象外でも契約条項と勧誘経緯を確認する

特定継続的役務の要件を満たさない契約には、ここまでのクーリングオフや中途解約の特則が一律には適用されません。しかし、医療機関独自のキャンセル規定、合意による解除、消費者契約法その他のルールが問題になる可能性はあります。対象外と言われても、根拠となる施術方法・期間・金額と契約条項を確認します。

説明と契約内容が違う、重要な不利益を告げられなかった、不安をあおられた、虚偽の年収でローン申請するよう促されたなど、勧誘経緯も時系列にします。個別契約の法的評価は事情によって異なり、この記事は法律相談ではありません。契約書、広告、やり取りをそろえ、消費生活センターや必要に応じた専門窓口へ早めに相談してください。

7. 通知・精算・支払契約を並行して確認する

実際の手順は、書面収集、対象条件の仮確認、期限内の通知、精算明細の要求、支払契約先への連絡の順に整理します。ローンや個別クレジットがある場合は、医療機関への解約通知の写しを信販会社にも示し、今後の請求や必要手続を確認します。自己判断で口座残高を空にするなど、一方的に支払いを止める前に相談してください。

消費者ホットライン188は、最寄りの消費生活センター等を案内する全国共通番号です。相談時は、契約日、書面受領日、契約総額、施術期間・回数、施術済み回数、希望する対応を簡潔に伝えます。期限が不明でも連絡を先延ばしにせず、通知記録と相談記録を残してください。

  • 契約書面を集め、受領日と施術履歴を時系列化
  • 対象条件と期限を確認し、通知の証拠を保存
  • 精算明細を求め、契約上の単価と照合
  • 医療機関・信販会社・相談窓口への連絡を記録