1. 保障が必要な金額と終了時点を先に決める

定期保険と終身保険の比較は、商品名からではなく死亡時の家計不足から始めます。遺族の生活費、住居費、教育費、葬送・整理費、借入金等から、遺族年金、勤務先給付、預貯金、配偶者等の収入を差し引き、誰にいくらをいつまで残す必要があるかを時点別に見積もります。子どもの独立や住宅ローン完済により大きな保障が不要になる場合もあれば、葬送費等として長く残したい金額もあります。

保険期間は保障が続く期間、保険料払込期間は保険料を支払う期間であり、同じ意味ではありません。終身保障でも有期払と終身払があり、定期保険でも歳満期・年満期など期間設定が異なります。比較表には、必要保障が終わる年齢、契約の満了・更新可能年齢、保険料払込終了年齢を別々に書いてください。どちらを選んでも、保険金支払い、引受け、家計負担の軽減は保証されません。

2. 定期保険は満了・更新・保険料変化を確認する

定期保険は、10年など一定年数または60歳までなど一定年齢までを保険期間とする死亡保険です。一般に同じ加入時点・保険金額の終身保険より当初保険料を抑えて大きな保障を準備しやすい一方、保険期間満了後は保障が終了します。満期保険金は通常ありませんが、商品ごとの給付・返戻条件は契約概要と約款で確認します。「掛け捨て」という言葉だけで必要性を判断しないでください。

更新型では、告知なしで所定の範囲まで更新できる商品がある一方、更新時の年齢等で保険料が再計算され、更新可能年齢や更新後の保険期間に上限があります。歳満期型は自動更新がない場合もあります。比較時は、最初の保険料だけでなく、必要保障期間まで更新した場合の各期間の保険料、総払込見込額、満了後に保障が必要となった場合の対応を確認します。更新できることや同じ保障額を維持できることを当然と考えません。

  • 年満期・歳満期と満了日
  • 自動更新の有無、更新可能年齢、更新後期間
  • 更新時の保険料と保障額の算定方法
  • 満期・解約時の返戻金等の有無

3. 終身保険は保障期間と払込期間を分けて読む

終身保険は、契約が有効に続く限り死亡保障が一生涯続く保険です。満期保険金は通常ありません。保険料の払込には、一定期間・一定年齢で終える有期払、一生涯払い続ける終身払、一時払等があり、毎回の保険料と払込総額の関係が異なります。終身払は一般に有期払より毎回の負担が低くても、長生きした場合の払込期間は長くなります。保険料払込免除の条件も商品ごとに確認します。

終身保険には解約返戻金がある商品が多いものの、保険料払込中の解約返戻金が払込保険料累計を下回ることは一般的です。一時払でも経過期間等により元本割れする場合があり、低解約返戻金型では所定期間の返戻金が抑えられます。外貨建て、変額、市場価格調整等がある商品は別の価格変動・為替・解約リスクを持つため、円建て定額の終身保険と同じ表現で比較しません。

  • 終身保障が続く条件と失効時の扱い
  • 有期払・終身払・一時払と払込終了日
  • 時点ごとの解約返戻金と保証・非保証部分
  • 低解約返戻金、外貨、変額等の商品固有リスク

4. 同じ死亡保険金額・期間・終了年齢で総額を比べる

比較表には、被保険者、死亡保険金、高度障害等の支払事由、責任開始日、免責、保険期間、保険料払込期間、更新後保険料、特約を置きます。定期保険は必要保障期間まで更新した場合、終身保険は同じ年齢まで継続した場合を試算し、年ごとの保険料と累計額を並べます。保障期間が違うのに月額だけを比べると、安さと保障範囲を取り違えます。

終身保険の解約返戻金を比較へ入れる場合は、同じ日付の保証額を使い、返戻率だけで判断しません。解約すれば死亡保障が消滅・減少し、受取時期も死亡保険金と異なります。定期保険と保険料差額を自己資金で備える案、定期と終身を組み合わせる案も、同じ家計条件で比較します。将来の運用益や保険料差額の貯蓄を確定した成果として計算しないでください。

5. 解約返戻金・契約者貸付・払済変更の条件を見る

終身保険の解約返戻金は、緊急資金としていつでも払込額以上で受け取れる預金ではありません。解約時期、商品、契約年齢等で金額が変わり、解約控除や市場価格調整等が影響する商品もあります。契約者貸付を利用できる場合も、貸付利息がかかり、返済しないまま保険金・解約返戻金が支払われると貸付元利金が差し引かれることがあります。具体額と利率は保険会社へ確認します。

保険料負担が難しいときは、減額、払済保険、延長定期保険等が使える場合がありますが、保障額や保障期間、特約は変わります。定期保険にも減額等の選択肢がある一方、解約返戻金を原資とする変更は利用できない商品があります。変更後に元へ戻す復旧は、取扱いがなかったり、告知・診査と不足額の払込みが必要だったりします。変更前後の設計書を保存してください。

  • 現時点と将来時点の解約返戻金
  • 契約者貸付の利用可否、利率、差引方法
  • 減額・払済・延長定期へ変更後の保障
  • 復旧の可否、期限、告知・払込条件

6. 必要額の変化に合わせて組み合わせと見直し日を決める

教育・生活費など一定期間の大きな不足を定期保険、長く残る整理資金等を終身保険で備えるなど、目的を分ける方法があります。ただし、必ずこの組合せが適するわけではありません。収入保障型、勤務先の団体保険、預貯金等を含め、受取方法、終了条件、保険料の変化を比較します。保険本数が増えると請求・更新管理も増えるため、管理できる範囲も条件です。

出産、住宅購入、転職、離婚、子どもの独立、退職などの時点で不足額を再計算します。保障を増やす場合は新たな告知・審査が必要となり、減らした保障を後で同条件へ戻せるとは限りません。将来減る見込みの保障は、更新・満了・減額時期をあらかじめ記録し、更新案内を受けてから慌てて判断しないようにします。

7. 告知・責任開始・不支払事由まで確認して決める

申込時は、定期・終身のどちらでも、保険会社が質問する健康状態、傷病歴、職業等へ事実どおり回答します。募集人へ口頭で話しただけで所定の告知にならない場合があります。引受結果、特別条件、責任開始日、死亡保険金・高度障害保険金の支払事由、免責、告知義務違反による解除、失効を契約概要、注意喚起情報、約款で確認します。商品種類だけで支払い可否は決まりません。

乗換えでは、新契約の成立と責任開始前に旧契約を解約しません。新契約が成立しない、保険料が上がる、特別条件が付く、旧契約の解約返戻金が払込総額を下回る可能性があります。比較資料、設計書、告知控えを保存し、疑問は保険会社へ確認します。解決しない場合は生命保険相談所等の対象となるADRを利用してください。