1. 借換えの目的と全債務を基準日で固定する
借換えは、既存ローンを新しいローンで返済し、債権者や条件を変更する手続です。おまとめは複数債務を一本化する呼び方ですが、商品ごとに対象債務が異なります。まず目的を、総支払額を減らす、月額を下げる、完済日を早める、返済日・窓口をまとめる、金利変動リスクを変える、のように一つずつ書きます。目的が違えば有利・不利の判定も変わります。
比較基準日を決め、債権者、商品、契約番号、貸し手区分、残高、適用金利、返済方式、月額、返済日、完済予定日、担保・保証人、延滞、利用枠を一覧にします。信用情報の開示だけでは全債務が分からない場合があるため、契約書、返済予定表、アプリ、通帳も照合します。各債権者へ基準日時点の一括返済額と手続を確認し、概算残高だけで申込額を決めません。
一覧の契約番号は末尾等の識別情報にとどめ、全桁は契約書で確認します。債務一覧、返済明細、本人確認書類は閲覧者を限定して保管し、正規の貸し手以外の比較フォームや代行業者へ安易に送信しません。
- 借換え目的と優先順位
- 各債務の基準日残高・一括返済額・完済日
- 貸金業者、銀行、カードショッピング等の債務区分
- 担保・保証人、延滞、利用枠、解約条件
2. 現契約と新契約の今後の総支払額を作る
現契約を続ける案は、基準日以後に支払う元金、利息、手数料等を各回の返済予定から合計します。すでに支払った利息は今後の比較額へ重ねて足しません。変動金利や残高スライド方式は、現在条件が続く仮定と金利・返済額が変わる仮定を分けます。追加借入れをせず、約定どおり返す完済日を基準にしてください。
借換え案は、新ローンの元金、全期間の利息、融資・保証・振込等の費用に、旧契約の繰上返済費用、担保設定・抹消等がある場合の諸費用を加えます。新ローンで旧債務以外の資金も借りる場合は、その部分を分けないと借換え効果を比較できません。正式な返済予定表と費用明細を使い、広告例や簡易シミュレーションを確定額と考えないでください。
3. 月額・金利・完済日・総額を別々に判定する
借換え後の金利が低くても、返済期間が長くなれば利息を払う期間が延び、総支払額が増える場合があります。月額が下がることは毎月の資金繰り改善を示しても、負担総額の減少を意味しません。現状維持と借換えについて、適用金利、月額、返済回数、完済日、総利息、費用、総支払額を横並びにし、どの指標が改善・悪化するかを表示します。
手取り収入が減る、金利が上がる、臨時支出が出る場合も試算します。ボーナスや臨時収入を必須条件にせず、生活費を再借入れしないで払える月額かを確認します。期間短縮のための追加返済が可能でも、最低額、手数料、元金への充当日を確認します。「月々○円下がる」「金利○%から」といった一項目だけで契約しません。
- 適用金利と固定・変動、見直し時期
- 月額、返済回数、完済予定日
- 元金、総利息、諸費用、総支払額
- 収入減・金利上昇・追加支出時の継続可能性
4. 総量規制の対象・除外・例外を混同しない
貸金業者から個人が借りる場合は、貸金業者からの借入残高合計が年収の3分の1を超える新たな貸付けが原則制限されます。一方、法令上の除外貸付け・例外貸付けがあります。日本貸金業協会は、一定条件を満たすおまとめローンが「顧客に一方的に有利となる借換え」として例外に該当し、年収の3分の1を超えて利用できる場合があると案内しています。商品名に「おまとめ」とあれば自動的に例外になるわけではありません。
同協会が示す例外条件の概要には、対象債務、借換え後金利が借換え前を上回らないこと、返済で残高が段階的に減ること、1か月の負担額が増えないこと、担保・保証条件が厳しくならないこと等があります。例外類型によって対象債務や要件が異なるため、銀行債務やカードショッピング等もまとめられると自己判断しません。銀行の貸付けは貸金業法の総量規制対象外ですが、審査と返済能力確認は別途行われます。
例外貸付けとして実行されたおまとめローンの残高も、総量規制上の借入残高には算入されます。その結果、借入残高が年収の3分の1を超えた後は、除外貸付け・例外貸付けに当たる場合を除き、新たな貸金業者借入れはできません。例外利用を追加借入れの余地が広がる制度と誤解しないでください。
5. 対象債務・返済実行・旧契約終了を確認する
候補商品ごとに、貸金業者の借入れ、銀行カードローン、クレジットカードのキャッシング・ショッピング、目的ローン等のどれが対象かを確認します。事業性資金、延滞中の債務、担保付債務等を対象外とする商品もあります。新しい貸し手が旧債権者へ直接送金するか、自分で返済証明を提出するか、端数・日割利息・振込費用をどう精算するかを聞きます。
旧債務を完済しても、利用枠や契約が自動的に解約されるとは限りません。残高ゼロ、完済証明、契約解約、カード返却、担保抹消等を債権者ごとに確認します。旧枠を再利用すると債務が増え、おまとめ後の返済計画が崩れます。新契約の融資実行と旧債務の完済が確認できるまで、自己判断で旧返済を止めないでください。遅延損害金や信用情報への影響につながる可能性があります。
- 対象・対象外となる債務と必要証明
- 新貸し手から旧債権者への返済方法
- 日割利息、端数、振込・繰上返済費用
- 完済証明、利用枠解約、担保抹消等の手続
6. 審査・融資時期・詐欺リスクを分けて管理する
借換え・おまとめにも審査があり、申込情報、収入、既存債務、返済状況、信用情報、担保・保証等により判断されます。事前診断や広告は、承認、希望額、金利、融資日を保証しません。必要額に満たない承認では一部債務が残り、月額や総額が想定と変わります。承認条件と全債務を完済できる実行額を確認してから契約を判断します。
金融庁の登録貸金業者情報検索で商号、登録番号、所在地、電話番号を照合し、銀行等も公式サイトへ自分でアクセスします。「必ず一本化」「信用情報を消す」「先に保証金・手数料を振り込めば融資する」と説明する相手を信用しません。本人確認書類は正規の貸し手の公式提出経路に限り、カード、暗証番号、端末、認証コードを第三者へ渡さないでください。
7. 借換え後の返済表を固定し、困る前に相談する
実行後は、新契約書、返済予定表、旧債務の完済・解約記録を保存します。毎月、残高、元金・利息、次回返済額、完済見込日を確認し、追加借入れがないかを家計表と照合します。借換えで元金そのものが自動的に減るわけではありません。返済日が一つになっても、生活費不足が続くなら支出・収入と制度利用を見直します。
返済が難しい、借換えを繰り返している、既存返済のために新たに借りている場合は、商品比較より相談を優先します。契約先、日本貸金業協会、全国銀行協会、財務局、自治体、法テラス、弁護士会・司法書士会等から状況に合う窓口を選びます。相談しただけで債務や信用情報が消えるとは限りませんが、延滞前の相談で確認できる選択肢があります。