1. 所有関係と建物・家財を分けて必要額を出す
住まいの保険では、建物と家財が別の保険対象です。持家なら建物の構造・所在地・延床面積・建築年と、家財の概算額を分けます。分譲マンションは専有部分と共用部分の契約主体、賃貸住宅は貸主の建物保険と借主の家財・借家人賠償等を区別します。住宅ローンで保険加入が条件でも、金融機関が求める範囲と自分の生活再建に必要な範囲が一致するとは限りません。
火災、落雷、風・ひょう・雪、水災、盗難、給排水設備の事故による水濡れ、破損等の場面を作り、建物、家財、仮住まい、片付けなどの費用を整理します。国のハザードマップポータルや自治体資料はリスク確認に役立ちますが、表示区域外なら被害が起きない、または保険金が支払われるという保証ではありません。現地条件と契約の支払要件を別々に確認します。
- 建物所有者、入居者、保険契約者、被保険者
- 建物・家財・高額品のどれを保険対象にするか
- 所在地、構造、建築年、床面積と用途
- ハザード、避難・仮住まい、自己資金で負担する範囲
2. 火災保険は事故種類・支払条件・免責金額を読む
火災保険は火災だけでなく、商品・プランにより落雷、破裂・爆発、風災・ひょう災・雪災、水災、飛来・衝突、水濡れ、盗難等を補償します。ただし、すべての火災保険に全項目が含まれるわけではありません。事故ごとに、補償対象、保険金の算定基準、免責金額、支払限度、費用保険金、主な対象外を比較します。「自然災害対応」という広告だけで水災や雪災を含むと決めません。
建物の保険金額は再調達価額または時価等の評価方法を確認します。家財は世帯人数等の目安だけで決めず、買い直す物を部屋ごとに積み上げます。経年劣化、自然消耗、故意・重大な過失等は支払対象外となる場合があります。高額な貴金属・美術品等は申告や別の限度が必要なこともあるため、契約概要、注意喚起情報、約款で確認してください。損害額と同額が必ず支払われるわけではありません。
3. 地震原因の損害は地震保険の有無を確認する
地震保険は、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災、損壊、埋没、流失を補償する制度です。火災保険では、地震等を原因とする火災や、地震により延焼・拡大した損害は原則として補償されません。火災保険に地震火災費用保険金等が付く場合でも、一定条件の費用補償であり、地震による損害を地震保険と同じ範囲で補償するとは限りません。
地震保険は単独では契約できず、対象となる火災保険へ付帯します。火災保険の契約時に付けなかった場合でも、契約期間の中途から付帯できる場合があります。制度は被災者の生活安定への寄与を目的とし、政府が民間保険会社の地震保険責任を再保険しています。住宅再建費や家財損害の全額を補償する制度ではないため、自己資金、公的支援、耐震・防災対策も含めて考えます。
- 火災保険に地震保険が付帯されているか
- 建物と家財の両方または一方だけか
- 地震火災費用等の特約と地震保険の違い
- 地震・噴火・津波と損害発生日の支払条件
4. 地震保険金額と4区分の支払割合を理解する
地震保険の保険金額は、付帯する火災保険の保険金額の30%から50%の範囲で設定し、限度額は建物5,000万円、家財1,000万円です。いずれも時価額が限度となります。火災保険金額と同額を設定できる制度ではなく、設定上限まで契約しても建物の再築費・家財の再購入費の全額が支払われるとは限りません。建物・家財ごとに契約額と不足額を確認します。
2017年1月1日以降に保険期間が始まる契約では、損害認定が全損、大半損、小半損、一部損のいずれかに該当すると、原則として地震保険金額の100%、60%、30%、5%がそれぞれ支払われますが、各区分に時価額を基準とする限度があります。修理見積額がそのまま比例して支払われる仕組みではありません。主要構造部や家財全体の損害割合等による認定基準と対象外事由を確認してください。
1回の地震等について全保険会社が支払う地震保険金の総支払限度額は12兆円です。支払うべき保険金の総額がこの限度額を超える場合は、法令に基づき各契約の保険金が削減される可能性があります。個別契約の保険金額だけでなく、制度全体の限度もあることを理解します。
地震等が発生した日の翌日から起算して10日を経過した後に生じた損害や、紛失・盗難による損害などは地震保険の対象外です。地震がきっかけに見える損害でも、発生時期や原因、事故類型によって扱いが異なるため、契約概要・注意喚起情報・約款で対象外事由を確認してください。
5. 地震保険の対象外となる建物・家財を確認する
地震保険の対象は、居住用建物と家財です。工場・事務所専用建物、営業用什器・商品等は制度の対象外です。家財でも、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・骨とう、通貨、有価証券、預貯金証書、印紙、切手、自動車等は対象外とされています。火災保険側で対象となる物でも、地震保険では対象外となる可能性があるため、一覧を分けます。
マンションでは専有部分と共用部分、賃貸では建物と入居者の家財を分けます。地震保険を家財だけに付けても建物は補償されず、管理組合の共用部分契約があっても専有部分や各戸家財を補うとは限りません。増改築、用途変更、転居、家財の大幅増加があれば、保険会社へ変更手続と評価額を確認します。
- 居住用建物か、店舗・事務所専用部分がないか
- 専有部分、共用部分、借家人の家財の契約主体
- 高額品、通貨・証券、自動車等の対象外物
- 増改築・用途変更・転居時の通知と契約変更
6. 保険料は所在地・構造・補償・割引を同条件で比べる
火災保険料は、所在地、建物構造、用途、保険金額、補償範囲、免責金額、保険期間等で変わります。損害保険料率算出機構は火災保険参考純率を算出し、水災リスクを1等地から5等地に区分していますが、参考純率や等地は各社の実際の保険料・引受けを決めるものではありません。ハザード情報も照合し、水災補償を外すかどうかは家計の負担可能額を含めて判断します。
地震保険料は建物の構造と所在地を基礎にし、免震建築物、耐震等級、耐震診断、建築年の割引があります。割引は重複適用されず、所定の確認資料が必要です。同じ地震保険条件なら制度上の内容を確認したうえで、火災保険部分の補償、事故対応、免責金額、総保険料を比較します。安さだけで対象事故を削り、想定する損害が補償外にならないようにしてください。
7. 契約後の変更と事故時の記録・相談先を決める
契約後は、保険証券、契約概要、注意喚起情報、約款、建物評価資料、家財一覧、割引確認資料を保存します。更新時には保険金額、構造・用途、補償、免責金額、地震保険付帯を再確認します。災害後は安全確保を優先し、片付け・修理前に可能な範囲で全景と損傷箇所を撮影し、保険会社・代理店へ連絡して必要書類と修理着手の扱いを聞きます。請求代行業者と契約する前に、まず保険会社・代理店へ直接相談し、報酬、解約料、修理契約との抱合せ、申請内容を確認します。損傷の誇張や虚偽申告を求める提案には応じません。
支払い可否や金額は事故原因、損害状況、契約条件、調査に基づき決まり、本記事や見積比較で保証できません。疑問はまず損害保険会社の相談窓口へ書面を示し、解決しない場合はそんぽADRセンター等の対象窓口を確認します。地震保険制度は財務省、個別契約は保険会社、ハザード・避難は自治体等と、確認先を分けてください。