1. HIFUが組織を加熱する医療行為だと理解する

HIFUはHigh Intensity Focused Ultrasoundの略で、集束させた超音波を照射し、焦点部分に熱凝固を起こし得る技術です。美容目的では顔や身体の引き締めなどをうたう表示がありますが、表面をなでるだけの施術ではありません。狙う深さ、出力、照射位置が組織へ与える影響を医師から説明してもらいます。

期待する変化がHIFUで扱う対象か、別の原因がないかは診察が必要です。結果には個人差があり、引き締めやしわ改善を保証できません。施術しない、経過を見る、別の方法を検討する選択も比較します。本記事は一般的な確認手順であり、個別の照射部位、深さ、出力を示すものではありません。

  • 気になる部位と希望する変化
  • 照射で標的とする組織と避けるべき組織の説明
  • 変化を評価する時期と、結果を保証できない理由
  • 施術しない選択を含む代替案

2. 2024年・2025年通知に沿って実施体制を確認する

厚生労働省は2024年6月7日、使用する機器が医療用であるか否かを問わず、HIFUを人体に照射し細胞に熱凝固を起こさせ得る行為は医行為であり、医師免許のない者が業として行えば医師法第17条に違反すると通知しました。施術は医療法上の医療提供施設で行う必要があります。

一方、2025年8月15日の通知は、看護師等が医師の指示の下で診療の補助として医行為を行うことは可能であり、医師の指示なくHIFUを行うことを違法例として示しています。エステサロンやセルフエステは避け、医療機関で診察・照射計画を担う医師、実際の施術者の資格、医師の具体的指示、施術中に独自判断が必要になった場合の対応、緊急時に医師が診察できる体制を確認します。単に『医師監修』と表示されているだけでは、この体制を確認したことになりません。

3. 診察で部位・既往歴・他施術との間隔を評価してもらう

照射予定部位の皮膚状態だけでなく、眼・神経・歯科を含む症状、基礎疾患、手術歴、埋入物、注入材、糸、ほかの美容施術、内服薬などを医師へ伝えます。情報を隠すと照射を避けるべき場所や、別の診療が必要な状態を評価できません。過去の施術日、製品、部位が分かる記録を持参します。

カウンセラーが照射部位やショット数を決め、医師が形式的に確認するだけでは、十分な診察とはいえません。医師が触診等を含めて状態を確認し、解剖上避ける領域、期待できる変化の限界、代替案、延期・中止の条件を説明するかを見ます。薬や通院を自己判断で変更せず、関係する医師へ相談します。

  • 皮膚、眼、神経、歯科領域などの症状・治療歴
  • 注入材、糸、インプラント、手術など照射部位周辺の既往
  • 現在の薬、妊娠可能性・授乳など診察に必要な情報
  • 医師が施術しない・延期する判断基準

4. 機器の承認状況と今回の使用目的を照合する

『HIFU機器』という一般名称だけでは、製品の性能、照射深度、安全機構、国内の承認状況は分かりません。使用予定の正式販売名、製造者・製造販売業者、型式、承認番号等を聞き、PMDAの医療機器情報で確認します。国内で承認等を受けた機器でも、今回の美容目的や部位が承認された使用目的に含まれるとは限りません。

未承認機器または承認範囲外の使用なら、その事実、国内承認された代替機器の有無、入手経路、安全性・有効性に関する根拠について医師の説明を受けます。医療機器一般の有害事象は医薬品副作用被害救済制度の対象ではなく、生物由来製品感染等被害救済制度も許可生物由来製品等による感染被害など所定の要件があります。製品区分と利用できる制度を個別に確認し、『米国で使われている』『学会で紹介された』という表示だけで判断しません。

5. 熱傷・急性白内障・神経障害等を具体的に確認する

2024年の厚生労働省通知は、HIFUで起こり得る合併症として熱傷、急性白内障、神経障害等を明記しています。消費者安全調査委員会の報告書でも、エステサロン等のHIFU事故について神経・感覚の障害や熱傷などが調査されています。顔の施術では、眼や神経など重要な組織との位置関係を理解した医師の判断が不可欠です。

施術中の強い痛み、施術後の水疱や皮膚色変化、しびれ・感覚低下・筋力の異常、見え方の変化などが生じた場合の行動を事前に聞きます。症状が出たときに同じ施設で医師が診察できるか、眼科、皮膚科、神経領域、救急医療へどのように紹介するか、夜間・休日の連絡先を確認します。

  • 熱傷、水疱、瘢痕、色素変化など皮膚・皮下組織のリスク
  • しびれ、感覚障害、運動の異常など神経に関するリスク
  • 急性白内障など眼に関する重大なリスク
  • 発生時の診察、検査、専門医紹介、費用と連絡先

6. ショット数ではなく計画・総額・再施術条件を見る

ショット数が多ければ結果や安全性が高まるとは限りません。照射範囲、重ね方、深さ、出力は医学的判断を伴います。見積書には、機器名、部位、カートリッジ等、診察、麻酔、再診、薬、合併症診療、他院紹介を分けて記載してもらいます。広告の『全顔』に眼周囲、首、顎下が含まれるかも図で確認します。

コースやセット契約では、施術間隔、有効期限、中断、機器変更、医師変更、解約精算を確認します。効果が分からない段階で追加契約を急がず、評価時期を医師へ聞きます。特定商取引法の対象となるかは契約期間、金額、施術方法などの条件で決まるため、すべてのHIFU契約が同じ解約制度になるわけではありません。

7. 施術前後の記録と相談先を準備する

同意前に、施術医、医療機関、機器名、承認状況、照射部位、期待する変化と限界、代替案、熱傷・急性白内障・神経障害等のリスク、緊急対応、総額を確認します。同意書と説明資料のコピーを保管し、理解できない項目があればその日の施術を見送ります。

施術後は医療機関の指示に従い、症状、写真、発生時刻、連絡履歴を記録します。見え方の異常、強いまたは増悪する痛み、水疱、しびれや筋力の異常などは、通常の再診日を待たず直ちに医療機関へ相談します。医療に関する心配は医療安全支援センター、契約上の問題は消費生活センターへ相談できます。

  • 医療提供施設で、医師の診察・計画・指示と施術者の資格を確認した
  • 機器と今回の目的・部位の承認状況を確認した
  • 重大なリスクと専門医への紹介体制を理解した
  • 総額、記録、夜間休日の連絡先を保存した